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作品No.5メモ用
しゅうまい
俺は今日もゲームをしていた
プレイしているゲームは、最近買ったばかりのギャルゲーといわれるもので
プレイヤーが選ぶ選択肢によって、何人かの少女たちが様々なストーリーを繰り広げていくのだ
「あれれ…? また、バッドエンドだ…」
これで何回目だろうか
いっこうに次に進めず、タイトル画面へと戻されてしまった
「くそー! もう一回だ!」
俺はあきらめず、ゲームをスタートさせた
何故か画面が真っ暗になってしまった
「あ! あれ? 」
ゲームの電源を切り、再度入れなおす
しかし、画面は点かない
「うわぁぁぁぁん! なんでだよ! なんで点かないんだ! このクソゲーム機め!」
「なんでっ!」
「…なんでっ!」
「……なんでっ!」
僕はゲームの電源のオンとオフを繰り返す。
「クソっ!」
「…クソっ!」
「……クソーっ!」
怒り狂い、血が上ったせいだろうか。
突如、眩暈が押し寄せ俺は意識を失った

……
………
「んんっん…頭が痛い」
気がつくと、見慣れない場所に居た。
「いつの間に? ここは? えーっと、俺は…?」
「……ううう……」
何か過去を思い出そうとすると痛みが強くなった
「まぁ、何でもいいか」
面倒臭くなった。
「どうせ、過去に良い出来事なんて無かっただろう」
そんな気がした。

とりあえず、時計に目をやる。
「げげっ! もう、こんな時間!?」
学校へ行く時間が迫っていた。
咄嗟に飛び起き、着替える。
「パジャマを脱いで…盛り上がったパンツを…!? って!! 違うしっ!」
そんな、くだらないボケをしてる暇さえ無かった。
「行って…きます…」
そう呟いて家を出た。
「はぁ…。また、今日と言う日を生きなきゃならんのか」
これで何回目なのだろう。
代わり映えのしない毎日がつまらなくて仕方ない。
「あ~ぁ。空から女の子が落ちてきたり…何か飛んできたと思ったら、3分以内に帰るとか、緑色の何かが侵略しにきたりとか……」
「でかいロボットを操縦できたりとか、女の子が一番大切なものをかけて戦ったりとか……」
……。
「しないか…」
自分でも思う。
「俺って、残念なヤツ…」
……。
青空をキャンパスに、妄想世界を描くうちに学校へ着いた。

何故だろう。
教室の前までやって来ると
「はぁ…」
溜め息が出た。
気をとりなおし、教室の扉を開ける。
「おぅ、サボリ野郎、今日は来たか」
誰かに声をかけられて、一瞬は違和感を感じたが気のせいだろう。
ーー。
コイツは、西園寺 騎士 。(さいおんじ ないと)
属性は、デブでカレーパンが好きらしい。
残念なことに、名前に合って無い。
騎士どころか…ただのブ……。何でもない。
俺の唯一の友達??
なのだろうか。
とりあえず、話し合える相手ではある。
ーー。
「いちいち、うるせぇな。 カレーパンにむしゃぶりついてろ」
「フへへへへッ。知ってるか? 」
「んあ? 何を?お前が実は…」
「オイラはただの豚じゃない!」
「そんな事は一言も喋ってないぞ」
「オイラは、二足歩行できる賢い豚なのだ! 」
「賢いかは知らんが、とにかく、豚なのは認めるのか」
「そんな事は置いといて。実は、●がサボってる間に文化祭の実行委員決めがあってな」
「賢いオイラは、ピキーン。っと閃いちゃってさー。ねぇ、なんだと思う?」
コイツが閃く事は大抵の場合、ろくなことがない。
「もう、一体なんなんだよ!」
「●を実行委員に推薦しちゃったのさ!!そしたら、見事に通っちゃって。」
「ヘケッ」
「はあぁぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁ!? ヘケッ。じゃねぇよ!豚がやっても可愛くないし!! ふざけるな!」
どうしてこうなったのだろう。
人が休んでいる間に勝手に決まってしまうなんて、なんたる嫌がらせ。
「まーまぁ、大丈夫だよ! 実行委員には女の子も付いてくるから」
何が大丈夫なのか、意味が分からない。
騎士が近づいてきて、囁いた。
「デュフフッ。 女の子と仲良くなれたら、オイラにも紹介して」
その囁きに、背筋に寒気が走った。
「死ねっ!!」
「ブヒーッ」

「またつまらぬものを…切ってしまった…って感じかな?」
ふと、女の子が割り入ってきた。
普通なら、こんな事は有り得ないのだが。
「えっと…」
ーー。
この子は、赤井 みこ。(あかい みこ)
クラスメイト。
「みんなに優しく、分け隔てなく接するおっぱい。
この、おっぱいが男達を魅了し、世界に平和をもたらすであろう。 by騎士」
ーー。
「おはよう、●くん」
(お、おっぱい…じゃなくて!)
「おっ、おぅ。おはよう」
ただの挨拶にしても、緊張してしまう。
「あのね、もう聞いたかな? 私も、文化祭の実行委員になったの」
「だから、一緒に頑張って文化祭を盛り上げていこうね」
そう言うと、みこはニコっと微笑んだ。
「う…うん。よろしく」
仕方なくそう答える。
正直なところは、そんなのは面倒臭い。
皆の為とか言って、居残りしたりとか嫌なのである。
だが、それは逃れられなく。
「それじゃぁ、今日の放課後に集会があるから、ちゃんと来てね」
そう言って彼女はその場を後にした。
「なーなー、良かったな」
横から甘ったるい声がする。
「何がだよっ! 」
「何がって、女の子とお喋り出来てに決まってんだろ」
「良くない!最悪だ」
「またまたー、そんな事を言っちゃって。オイラには、君の心の隙間から笑顔が見えてたよ」
やばい。こいつのキモさが。
流石に呆れ果てたので、聞こえなかった事にした。
《学校チャイム》

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作成日 : 2012/04/11(水) 23:26
更新日 : 2016/04/27(水) 17:47
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Book Shelf Ver:1.7 - 天空の彼方