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作品No.5 「 メモ用 」
Delusion-男談話
「なぁ、慎平…」
俺は真剣な眼差しで慎平を見つめ、切り出した。
「うん?どうした竜太。俺にアイの告白か?ソウナノカ?」
「なんで、そうなるんだよ!」
「だって、竜太…俺の事好きだろう?」
「はぁ?」
俺は、あきれた顔をした。
「えっ、嫌いだったの?ショック!」
「慎平の事は、別に嫌いじゃないけど」
「けど…?」
「好きでもない!!」
「…」
慎平は少し俯き、無言になった。
「だって、慎平。男相手に、スキとか言ったら…意味深…」
「アッっ…確かに。あと、フォローしてくれたのにゴメン。俺も男にスキとか言われても困るから!やっぱ、女の子じゃないと…」
「何だよ!急に俯いて無言になったから、それほどショックだったのかって思ったじゃねーか」
「ちょっと、考え事しただけ。竜太ってどんな告白するんだろうな?俺に告白するより、黒羽さんに告白しなきゃだしな?って考えてた」
「ちょっ…こっ声っ!もうちょっと、小さく!」
慎平が普段の声量で喋っているので、誰かに聞かれていたら恥ずかしい。
しかも、ここは教室だ。
近くに黒羽さんが居たら…聞かれてしまうかも知れないし、引かれてしまうかもしれない。
俺はキョロキョロと辺りを見回した。
「ふぅ…」
「どうした?竜太。そんな焦って…」
「黒羽さん、居ないよね?良かった…聞かれてたら…と思って」
「なぁんだ。そんな事か」
もしかしてと思い、慎平を見つめると…。
慎平は、妙な笑みを浮かべつつ右手の拳の親指を立てて、してやったり!な顔をした。
「慎平…貴様!はっ!謀ったな!」
「なーんの?ことーかな??」
慎平は、とぼけて笑っていた。
「ハハハっ。 あっ…そう言えば、竜太。結局、何を言おうとしてたんだ?」
気付けば、本来に話そうとしていた事から思いっきり脱線していた。
「あぁ…そうだった…。慎平、放課後に相談と言うか。質問と言うか。良いか?」
「おぅ。珍しいな!良いぞ。予定は空いてるし。男臭い男子会と行きますか!二人だけの…ムフフ」
「男臭い、ムフフって…気持ち悪いな。ま、とにかく。慎平、放課後にまた!」
「ぁぃよ」
…。
眠たくなる授業でも、ただただ流れ進んで行った。
キーンコーンカーンコーン。
終業のチャイムが鳴り響いた。
「竜太、聞きたいことって何だ?」
「あぁ。色々と考えて思った事が有るんだ」
「思ったこと?」
「好きって何だろう?」
「えっ?」
「慎平にとっての、好きって何?」
「女の子、カワイイ子はみーんな好き!」
「かっ…軽いな…」
「うん?竜太は嫌いなの?カワイイ子」
「そっ…そうじゃないけど」
「だよね、黒羽さんカワイイしね!」
「なっ…なんで、そこで…黒羽さん…」
「だって、好きなんでしょ?竜太は、黒羽さんの事」
「そ…そうだけど…」
「そういえば。竜太の’好き’は、どんな、’好き’なの?」
「えーっと…なんて言えば…良いんだろう?」
「やっぱ、カワイイからだろ?」
「そんなんじゃないっ!い…ぁ、そんなんじゃなくも無いけど…」
「何なんだよ、訳わかんねーな。ハッキリしろよ!」
「気になり始めたのは、可愛いからって事もある…けど…」
「けど?」
「相手の子を気付けば目で追ってて、笑顔を見るとドキっってして」
「あれ?やっぱ、可愛いからじゃ?可愛い子は目に入れても痛くないやんね」
「それだけじゃないよ?優しい一面にキュンってするし、話かけられるとドキドキする」
「うーん。キュン?キュンって、アレか?よく、女の子が格好いい有名人がどーのこーのでキュンって…」
「えっ、それは…知らない。それと同じ…?なのか…?」
「俺にはどっちもサッパリ判らん」
「あとは、その子の事を知りたい!とか、一緒に居たいとか思ったり」
「竜太、それは…ちょっと重過ぎない?」
「そうかな?そこまでは、まだ普通じゃない?と思うんだけど。ちなみに、キスしたい…とか妄想したりもするんだけど…」
「…。どうなんだろうなー…。そういえば、妄想って、この前に書いてたヤツみたいな?」
「うん…」
「竜太、言っちゃ悪いかもだけど、ハッキリ言うよ?ちょっと、度越えて気持ち悪いかもな」
「そっ…そっか…」
「竜太、あのな。俺が思うのは、やっぱり、’好き’なんて、軽くて良いんじゃないかな?可愛い子はみんな好き!」
「慎平のそれも、どうかと思うのだけれど」
「いぁさ、だって!その中から気が合う子。居心地が悪くない相手を見つけたりすれば良いじゃん。そっから発展して、’付き合う’じゃん?」
「慎平はさっき、キュンが判らないって言ったけど。その間にキュンは無いの?」
「んー?無い!この子、良いヤツって感じなだけで」
「マジか…」
「重要なのは、顔が可愛いか、オッパイが大きいか。お尻が魅力的かだよ!」
「慎平…なんだよそれ…」
「えっ、だってそうだろ?よく言われてる、ボンッ・キュッ・ボンッ!で、自分にとって、相手の身体がどれぐらい魅力かが重要じゃない?」
「性格とか、優しさとか気にしないの?」
「えーっと?まぁ、多少は気にするけど。自分にとって、居心地悪くなければ、そんな気にしないかな」
「…」
「だって、可愛い子とエッチな事したいじゃん!大きいオッパイを揉みたいじゃん?違うの?!」
「慎平って、身体目的だったのか…」
「ぁ…?男って、そんなもんじゃない?女の子の身体にいかに、興奮できて…子孫残し…。ってアッ!」
「うん?慎平どうした?」
「良く考えたら、竜太!お前、人の事言えないじゃねぇか!お前だって、あんなエッチな妄想してたんだ。身体目的と同じじゃねぇか!?」
「ウッ…」
「竜太も、実は身体目的なんだろ?さぁ、白状しろ!」
「そんなんじゃないよ!俺は、’好き’が前提で有るんだ。相手の性格とか、優しさとかを含めて’好き’なんだ!」
「なんだそれ。もはや言い訳だろ?男として、ヤリたいのは性分だしな?」
「え…?言い訳…?言い訳って…失礼な!」
「じゃぁ竜太、’エッチしたい’が強いのか’好き’が強いのか。どっち?」
「そ、そりゃ…ス…好き?」
「なんで、疑問系なんだよ?やっぱり、’エッチしたい’が強いんじゃないか?」
「うーん…判らないけど…。なんだか、否定できないかも知れない」
「結局、そうだろ?そんなん、’エッチしたい’から’好き’とか言っているのと大差ない気がする」
「更に言えば。幼稚園の頃や小学生の頃とか所謂、’エッチなこと’を知らない純粋な恋ってどうだった?」
「ぁ…。そー言えば、’エッチなこと’は無しでも何故か毎日ワクワク、ドキドキしてた」
「話かけられたりするんじゃないか。ちょっとした事で、手が触れたり…とか」
「竜太、その頃こそが純粋な恋だと思わないか?そして、俺達は…。’エッチなこと’を知ってしまった俺らに、純粋な恋は無い」
「慎平、つまり…。どこかしら、’エッチなこと’を含んでしまっていて、実はそれが中心になってしまっている。と言うことか…」
「そうそう。つまり…キミも、俺の仲間。結局、ボンッ・キュッ・ボン!!さぁ、一緒に…ボンッ・キュッ・ボン!」
「アレ?慎平…やっぱり、なんだか腑に落ちないな…」
「チッ…」
「おい!慎平、チッってなんだよ!」
「え?黒羽さんイイヨナー。黒羽さん。こんな、むっつりスケベより…ワンチャン…」
「じゃぁ、付き合うって何?ナニするの?」
「そうやね、ナニもするだろうね」
「ぇ?何をするんだ?慎平…?」
「えっ?…。あぁ…どういう事をするか。って事?」
「そうだよ?何をするのか、どういう事なのかを訊きたいんだけど」
「悪い、エッチの事かと思った。まぁ、進展すれば、竜太も望んでる様な、キスやエッチもするだろうけど」
「…」
「基本的には、一緒に過ごしてみたりする事じゃ?デートしたりとかさ」
「一緒に過ごして、互いの事をよりもっと知ったりするっていう感じなの?」
「そうそう。良い所も悪い所も知って、波長が合うか。楽しいか、愛しいかを確認するんじゃね?」
「ふーん。そう言えば、慎平って何人の相手とデートとかしたの?」
俺は真剣な眼差しで慎平を見つめ、切り出した。
「うん?どうした竜太。俺にアイの告白か?ソウナノカ?」
「なんで、そうなるんだよ!」
「だって、竜太…俺の事好きだろう?」
「はぁ?」
俺は、あきれた顔をした。
「えっ、嫌いだったの?ショック!」
「慎平の事は、別に嫌いじゃないけど」
「けど…?」
「好きでもない!!」
「…」
慎平は少し俯き、無言になった。
「だって、慎平。男相手に、スキとか言ったら…意味深…」
「アッっ…確かに。あと、フォローしてくれたのにゴメン。俺も男にスキとか言われても困るから!やっぱ、女の子じゃないと…」
「何だよ!急に俯いて無言になったから、それほどショックだったのかって思ったじゃねーか」
「ちょっと、考え事しただけ。竜太ってどんな告白するんだろうな?俺に告白するより、黒羽さんに告白しなきゃだしな?って考えてた」
「ちょっ…こっ声っ!もうちょっと、小さく!」
慎平が普段の声量で喋っているので、誰かに聞かれていたら恥ずかしい。
しかも、ここは教室だ。
近くに黒羽さんが居たら…聞かれてしまうかも知れないし、引かれてしまうかもしれない。
俺はキョロキョロと辺りを見回した。
「ふぅ…」
「どうした?竜太。そんな焦って…」
「黒羽さん、居ないよね?良かった…聞かれてたら…と思って」
「なぁんだ。そんな事か」
もしかしてと思い、慎平を見つめると…。
慎平は、妙な笑みを浮かべつつ右手の拳の親指を立てて、してやったり!な顔をした。
「慎平…貴様!はっ!謀ったな!」
「なーんの?ことーかな??」
慎平は、とぼけて笑っていた。
「ハハハっ。 あっ…そう言えば、竜太。結局、何を言おうとしてたんだ?」
気付けば、本来に話そうとしていた事から思いっきり脱線していた。
「あぁ…そうだった…。慎平、放課後に相談と言うか。質問と言うか。良いか?」
「おぅ。珍しいな!良いぞ。予定は空いてるし。男臭い男子会と行きますか!二人だけの…ムフフ」
「男臭い、ムフフって…気持ち悪いな。ま、とにかく。慎平、放課後にまた!」
「ぁぃよ」
…。
眠たくなる授業でも、ただただ流れ進んで行った。
キーンコーンカーンコーン。
終業のチャイムが鳴り響いた。
「竜太、聞きたいことって何だ?」
「あぁ。色々と考えて思った事が有るんだ」
「思ったこと?」
「好きって何だろう?」
「えっ?」
「慎平にとっての、好きって何?」
「女の子、カワイイ子はみーんな好き!」
「かっ…軽いな…」
「うん?竜太は嫌いなの?カワイイ子」
「そっ…そうじゃないけど」
「だよね、黒羽さんカワイイしね!」
「なっ…なんで、そこで…黒羽さん…」
「だって、好きなんでしょ?竜太は、黒羽さんの事」
「そ…そうだけど…」
「そういえば。竜太の’好き’は、どんな、’好き’なの?」
「えーっと…なんて言えば…良いんだろう?」
「やっぱ、カワイイからだろ?」
「そんなんじゃないっ!い…ぁ、そんなんじゃなくも無いけど…」
「何なんだよ、訳わかんねーな。ハッキリしろよ!」
「気になり始めたのは、可愛いからって事もある…けど…」
「けど?」
「相手の子を気付けば目で追ってて、笑顔を見るとドキっってして」
「あれ?やっぱ、可愛いからじゃ?可愛い子は目に入れても痛くないやんね」
「それだけじゃないよ?優しい一面にキュンってするし、話かけられるとドキドキする」
「うーん。キュン?キュンって、アレか?よく、女の子が格好いい有名人がどーのこーのでキュンって…」
「えっ、それは…知らない。それと同じ…?なのか…?」
「俺にはどっちもサッパリ判らん」
「あとは、その子の事を知りたい!とか、一緒に居たいとか思ったり」
「竜太、それは…ちょっと重過ぎない?」
「そうかな?そこまでは、まだ普通じゃない?と思うんだけど。ちなみに、キスしたい…とか妄想したりもするんだけど…」
「…。どうなんだろうなー…。そういえば、妄想って、この前に書いてたヤツみたいな?」
「うん…」
「竜太、言っちゃ悪いかもだけど、ハッキリ言うよ?ちょっと、度越えて気持ち悪いかもな」
「そっ…そっか…」
「竜太、あのな。俺が思うのは、やっぱり、’好き’なんて、軽くて良いんじゃないかな?可愛い子はみんな好き!」
「慎平のそれも、どうかと思うのだけれど」
「いぁさ、だって!その中から気が合う子。居心地が悪くない相手を見つけたりすれば良いじゃん。そっから発展して、’付き合う’じゃん?」
「慎平はさっき、キュンが判らないって言ったけど。その間にキュンは無いの?」
「んー?無い!この子、良いヤツって感じなだけで」
「マジか…」
「重要なのは、顔が可愛いか、オッパイが大きいか。お尻が魅力的かだよ!」
「慎平…なんだよそれ…」
「えっ、だってそうだろ?よく言われてる、ボンッ・キュッ・ボンッ!で、自分にとって、相手の身体がどれぐらい魅力かが重要じゃない?」
「性格とか、優しさとか気にしないの?」
「えーっと?まぁ、多少は気にするけど。自分にとって、居心地悪くなければ、そんな気にしないかな」
「…」
「だって、可愛い子とエッチな事したいじゃん!大きいオッパイを揉みたいじゃん?違うの?!」
「慎平って、身体目的だったのか…」
「ぁ…?男って、そんなもんじゃない?女の子の身体にいかに、興奮できて…子孫残し…。ってアッ!」
「うん?慎平どうした?」
「良く考えたら、竜太!お前、人の事言えないじゃねぇか!お前だって、あんなエッチな妄想してたんだ。身体目的と同じじゃねぇか!?」
「ウッ…」
「竜太も、実は身体目的なんだろ?さぁ、白状しろ!」
「そんなんじゃないよ!俺は、’好き’が前提で有るんだ。相手の性格とか、優しさとかを含めて’好き’なんだ!」
「なんだそれ。もはや言い訳だろ?男として、ヤリたいのは性分だしな?」
「え…?言い訳…?言い訳って…失礼な!」
「じゃぁ竜太、’エッチしたい’が強いのか’好き’が強いのか。どっち?」
「そ、そりゃ…ス…好き?」
「なんで、疑問系なんだよ?やっぱり、’エッチしたい’が強いんじゃないか?」
「うーん…判らないけど…。なんだか、否定できないかも知れない」
「結局、そうだろ?そんなん、’エッチしたい’から’好き’とか言っているのと大差ない気がする」
「更に言えば。幼稚園の頃や小学生の頃とか所謂、’エッチなこと’を知らない純粋な恋ってどうだった?」
「ぁ…。そー言えば、’エッチなこと’は無しでも何故か毎日ワクワク、ドキドキしてた」
「話かけられたりするんじゃないか。ちょっとした事で、手が触れたり…とか」
「竜太、その頃こそが純粋な恋だと思わないか?そして、俺達は…。’エッチなこと’を知ってしまった俺らに、純粋な恋は無い」
「慎平、つまり…。どこかしら、’エッチなこと’を含んでしまっていて、実はそれが中心になってしまっている。と言うことか…」
「そうそう。つまり…キミも、俺の仲間。結局、ボンッ・キュッ・ボン!!さぁ、一緒に…ボンッ・キュッ・ボン!」
「アレ?慎平…やっぱり、なんだか腑に落ちないな…」
「チッ…」
「おい!慎平、チッってなんだよ!」
「え?黒羽さんイイヨナー。黒羽さん。こんな、むっつりスケベより…ワンチャン…」
「じゃぁ、付き合うって何?ナニするの?」
「そうやね、ナニもするだろうね」
「ぇ?何をするんだ?慎平…?」
「えっ?…。あぁ…どういう事をするか。って事?」
「そうだよ?何をするのか、どういう事なのかを訊きたいんだけど」
「悪い、エッチの事かと思った。まぁ、進展すれば、竜太も望んでる様な、キスやエッチもするだろうけど」
「…」
「基本的には、一緒に過ごしてみたりする事じゃ?デートしたりとかさ」
「一緒に過ごして、互いの事をよりもっと知ったりするっていう感じなの?」
「そうそう。良い所も悪い所も知って、波長が合うか。楽しいか、愛しいかを確認するんじゃね?」
「ふーん。そう言えば、慎平って何人の相手とデートとかしたの?」
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作成日 : 2016/04/27(水) 17:51
更新日 : 2016/04/27(水) 17:51
Book Shelf Ver:1.7 - 天空の彼方